hirokki13のノート

英語論文抄読のまとめ

再手術を経験したTKAが失敗した患者における慢性的な活動性炎症

Chronic, Active Inflammation in Patients With Failed Total Knee Replacements Undergoing Revision Surgery

First published: 24 June 2019

Journal of Orthopaedic Research,

 

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jor.24398

 

TKA術後のフォローにて慢性痛と可動域制限は重要な問題です。

TKA後の痛みの分子学的要因は知られておらず、有用な治療的介入方法がない。

本研究は炎症性メディエーターが再手術症例の場合、上昇するのか、活動性なのか、炎症過程の進行性などを検討しており、痛みに対して寄与するかもしれない。

12個のマーカー(GM-CSF,IL-5,IL-8,IL-10,CCL2,CCL3,CCL4,CCL13,FLt-4,血管内皮増殖因子、血管遊離細胞、細胞間接着因子)を初回TKA(29例)と再手術症例(32例)のそれぞれの膝組織、滑液から測定を行った。

手術を行う兆候は初回TKAではOA、再手術症例では人工関節のルーズニング(11名)、堅さ(11名)、緩み(8名)、膝蓋骨置換のOA進行となります。

痛みスコア(WOMAC)は再手術症例の方が有意に高かった。

初回TKAから再手術までの期間は8ヶ月〜30年(中央値10年)でした。

全てのマーカーで再手術症例は上昇した。再手術症例は多くの滑液のマーカー調査で初回手術よりも値が大きく減少傾向に至っていなかった。

膝組織でも同様の結果が得られました。

再手術の兆候の比較は差がありませんでした。

再手術が必要な痛みを伴うTKA術後の上昇している炎症性メディエーターは活動的な慢性炎症を示しています。

増加したマーカーの特徴は初回手術から数年経過した治療を明確にする根拠を提示します。

 

《感じたこと》

再手術症例において数年経過しているにも関わらず慢性的な炎症反応が持続していた。炎症反応が持続する原因として理学療法士が対応できることとしては力学的に日常生活動作でどの運動でストレスがかかっているのか、その組織が不可逆的にものなのか評価することが必要となると思われる。炎症反応の持続がポイントになる。