hirokki13のノート

英語論文抄読のまとめ

TKA術後の軽度の感染による線維症の可能性

Low-grade infections as a possible cause of arthrofibrosis after total knee arthroplasty

 

Patient Safety in Surgery volume 13, Article number: 1 (2019)

 

要約

TKA術後の軽度の関節症による線維症の可能性

 

目的

TKA術後の線維症は患者にとって大きな負担となり、医師にとっても治療上の課題となっています。1つの可能性のある原因は軽度の感染症です。この仮説はこの研究で検証する必要があります。

対象と方法

1999年1月〜2012年1月の期間でTKA術後、臨床症状のある患者19名で調査しました。レントゲン的に不正確なアライメントは対象としました。全ての患者に、創部を開いた際に臨床的()、レントゲン的、細菌学的(培養)、組織学的、生物分子学的(PCR)に調査しました。

結果

Freeman(1977)の調査と同様に、高い改善を示したのが、痛み(p=0.007)、総合スコア(p=0.003)の改善でした。膝関節の動きは統計学的に有意となりませんでした(p=0.795)。PCRは17例で陰性でした。1人の症例はコリネバクテリウムが滑膜から検出され、PCR陽性となった。培養でもブドウ球菌が検出された。検出できるほどのバクテリアの成長はなかった。2つのサンプルは評価できなかった。病理組織所見の主要なものは滑膜炎と繊維化であった。

結論

TKA術後の線維症の原因と思われた軽度の感染症の影響はこの研究で確認されなかった。しかしながらこの小さな母集団での研究の基礎は必要であり、今後、対象を大きくし、コントロール群を含めた検討が必要となる。

 

 

《感じたこと》

この論文のイントロダクションにTKA線維化の原因となる要因が記載してあり、自分の思っていることと近い内容となっていた。記載内容は炎症による組織循環障害→組織低酸素→組織線維化が起こる過程となっており、結果でも述べているが、この炎症反応は感染が考えにくい。やはり、術後理学療法の内容や動作が及ぼす侵襲部への負荷が原因となっていると思われた。

ちなみに翻訳に関して半年間行ってきて、なかなか上達が感じられなかったので3月から論文翻訳に限らず本格的に英語の勉強を始めた。(リーディングやスピーキング)

なぜか翻訳が少し早くなった気がする。今後、英語学習を重点的に置きながら論文抄読を研究に必要な論文のみ抽出して訳していこうと思う。今まで1週間に1〜2論文と決めていたけど、手段が目的化しないように大きな目的は論文がスラスラ訳せる事なので、一度間を置きながらしてみよう。