hirokki13のノート

英語論文抄読のまとめ

変形性膝関節症の滑膜異常に対する超音波エコーの適応 −横断研究−

Associations Between Clinical Evidence of Inflammation and Synovitis in Symptomatic Knee

 

Osteoarthritis: A Cross-Sectional Substudy.Arthritis Care Res (Hoboken). 2017 Sep;69(9):1340-1348.

目的

超音波によって通常の滑膜肥厚の厚さと浸出液程度を証明することと、膝痛があり、レントゲンでのOA像のある群のカットオフ値を示すこと。

方法

KPICとNottinghamKPの9506名からランダムで抽出された40歳以上の女性147名、男性152名が対象となりました。

膝痛がなく、レントゲンからOA変化のない163名の症例からパーセンタイル方法を使用して正常範囲は確立された。

最適(感度と特異性の最大)と高特異性(90%)のカットオフはROC曲線を用いて膝痛とレントゲンOA像のある群と正常群で比較され、証明された。

結果

浸出液と滑膜肥厚は性別によって異なったが、年齢もしくは左右差で違いはなく、性別特異性は推定された。しかし、正常範囲の男女の間では浸出液の程度は似ている(0-10.3mmVS0-9.8mm)が、滑膜肥厚は違いがみられた(0-6.8mmVS0-5.4mm)。健常対照群のパワードプラは同程度でなかった(1.2% 男性0.0%女性)。浸出液のカットオフ値は男性で7.4mm、女性で5.3mm、滑膜肥厚は男性で3.7mm、女性で1.6mmであった。高特異性では浸出液のカットオフ値は男性で8.9mm、女性で7.8mm、滑膜肥厚は男性5.8mm、女性で4.2mm。

結論

超音波によるカラードプラは共通ではなかったが、浸出液と滑膜肥厚は共通性を示した。しかし、痛みのあるOA症例を除いた正常群の男女間で違いがあった。OAなどに対してのカットオフ値は再評価する必要がある。

 

肥厚評価方法

f:id:hirokki13:20200422112243p:plain

 

《感じたこと》

臨床でも超音波を使用しているが数ミリ単位の評価になるため、しっかりとした測定肢位や測定方法を確立しておかないとすぐに数値が変化してしまう。すごく難しい評価だけど客観的な数値が現れる分、現在の理学療法手技など客観的に評価される未来が来ると思う。