hirokki13のノート

英語論文抄読のまとめ

変形性膝関節症における超音波検査の役割

Role of Ultrasonography in Knee Osteoarthritis

 

Journal of Clinical Rheumatology: September 2016 - Volume 22 - Issue 6 - p 324–329

 

超音波検査はリウマチ学者の間でOAの観察と評価のための画像評価の第一選択として一般的になってきた。なぜなら、近年科学技術が改良され超音波はOAの病態生理や進行に関し関節軟骨や滑膜組織、骨皮質、他の軟部組織も含んだ小さな構造上の異常所見を評価し、示すことができるようになってきたためである。最近では超音波検査は関節浸出液や滑膜肥厚、ベーカー嚢胞、他の構造学的変化、骨棘形成や半月板膨隆、軟骨の厚さの減少といった軟部組織の異常評価を行う有望な技術となっています。超音波検査はOA膝の診断を行う可能性だけではなく疾病疾患の進行によるバイオマーカーの画像診断による長期間の予測を明らかにすることができます。超音波検査は治療有効性の監視や有用なツールの治療的介入の先導もできることが証明されました。このレビューはOA膝の画像評価技術としての超音波検査の有用性や信頼性、利用可能性について示します。

 

《感じたこと》

雑誌の特集?のアブストラクトであったが、近年ではOAに対する超音波画像診断を用いての評価は世界的に一般的になってきている印象がある。治療的介入の先導はハイドロリリースなどのことと思われるが、この数年でクリニックなどでのOAや肩関節周囲炎といった疾患の評価や治療は大きく変化しそうな気がする。今までは『肩関節周囲炎』の診断のもと湿布と物理療法であったが、超音波エコーによって、より詳細な診断(肩峰下滑液包炎など)や治療を行うことができるため理学療法士もついていけるようにならないといけない。考える役割として3つ考えられ、①診察の補助となりうる可能性があり、詳細なエコーを当てる部位を評価すること。整形外科的テストや触診、問診、圧痛所見など ②病態の原因となるアライメントに対するアプローチ(アライメントだけではなく局所血流の問題であれば有酸素運動や食習慣の聴取など)が必要と思われる③徒手的なリリースやハイドロリリースの効果持続のためのストレッチなどが予測される。