TKA再置換後の拘縮形成リスク因子の検討
Identifying Risk Factors for the Development of Stiffness After Revision Total Knee Arthroplasty
The Journal of Arthroplasty
Volume 33, Issue 4, April 2018, Pages 1186-1188
目的
TKA後の麻酔下マニュピレーションに関していくつかの研究があるが、TKA再置換術後のマニュピレーションに関する報告は不足している。
この研究の目的はTKA再置換術後のマニュピレーションに関連する発生率やタイミング、リスク因子を明らかにすること。
方法
データは2007-2015年に調査されたTKA再置換術を行った症例。
TKA再置換を行いマニュピレーションを行った症例をフォローした。
マニュピレーションまでの期間は月計算で算出した。
リスク因子として術前鎮痛剤使用、喫煙、不安や抑うつ、糖尿病、肥満、年齢を分析。ロジスティック回帰分析にてオッズ比を算出した。
結果
全体数5414例のTKA再置換術のうち1.7%(96名)が再置換術後にマニュピレーションを行った。
その内69%の症例が再置換術後3ヶ月以内にマニュピレーションを行っていた。
50歳以下の症例はマニュピレーションを行う確率が有意に高かった(P<0.001)。
性別に有意差はみられなかった(P=0.85)
術前鎮痛剤使用、喫煙、不安や抑うつ、糖尿病、肥満はマニュピレーションリスク因子ではなかった。
ロジスティック回帰分析の結果、若い年齢がTKA再置換術後のマニュピレーションを予測した。
結論
大規模コホート研究の結果、TKA再置換術後1.7%がマニュピレーションを行い、実施率は50歳以上より若い症例で6倍高かった。これらの研究はTKA再置換術後のマニュピレーションリスクについて患者に助言するのに役立つ。
《感じたこと》
マニュピレーション症例では血流が低下している比較的年齢の高い方や糖尿病、喫煙している症例が多いと予測していたが反対の結果となっていた。線維化することとマニュピレーションを行ったは違っており、今後のQOLを考え若い方はマニュピレーションを選択している可能性も考えられたため、論文を熟読する必要があると感じた。