hirokki13のノート

英語論文抄読のまとめ

滑膜マクロファージの発火抑制は、変形性膝関節症における滑膜炎および線維症を軽減する

Inhibition of Synovial Macrophage Pyroptosis Alleviates Synovitis and Fibrosis in Knee Osteoarthritis

 

Mediators of Inflammation

Volume 2019, Article ID 2165918, 11 pages

 

異なる組織でのマクロファージのパイロトーシス(炎症誘導性の細胞死)は慢性的な無菌性炎症に関与し、組織の線維化に関連しているとの報告が増加傾向にある。私たちの最近の研究もOAの発生機序と発症における滑膜線維芽細胞の役割を明らかにした。この研究での私たちの目的はパイロトーシス(炎症誘導性の細胞死)の発生や変形性膝関節症の線維化や滑膜炎とこの細胞死の関連を検討すること。ラットの変形性膝関節症モデルの滑膜組織でmRNAとタンパク質発生の両方の原因によるマクロファージ欠乏によってcaspase1、NLRP3、ASC、GSDMDの減少を認めた。その上、caspase1阻害剤のAc-YVAD-CMKで治療したラットは炎症性因子であるIL-1β、IL-18、HMGB1と線維化マーカーであるTGF-β、PLOD2、COL1A1、TIMP1の発生を抑制しただけでなく、ラットの膝の横径やHE染色、シリウス染色によっても炎症反応と線維化を抑制した。引き続いて、マクロファージのパイロトーシスを誘発した変形性膝関節症の炎症が起きている状況を作り、LPS+ATP誘導モデルを作った。Caspase1とsiRNAを遺伝子導入したマクロファージは細胞死の減少を示した。一方で、パイロトーシス関連のタンパク質の発生も減少が認められた。さらに滑膜線維細胞芽細胞の線維化マーカーレベルはsiRNA、GSDMDを遺伝子導入したマクロファージの共同培養後に著名に減少が認められた。結論は滑膜マクロファージのパイロトーシスは変形性膝関節症の病理学的な機序で発生する可能性があり、滑膜マクロファージのパイロトーシスの阻害はラットの変形性膝関節症モデルの滑膜炎と線維症を軽減した。

 

《感じたこと》

DNAや組織など難しいことがたくさん書いてあったが、滑膜に起きているマクロファージの炎症誘導性細胞死を防ぐことで線維化や滑膜炎が抑制される。と解釈した。