hirokki13のノート

英語論文抄読のまとめ

初回TKA後の拘縮に対する関節剥離術

Open arthrolysis for stiff knee after primary total knee arthroplast

2019 Mar 15;33(3):307-311.

 

目的:初回TKA後に起こる拘縮患者に対する治療としての関節剥離術の有効性を評価すること。

方法:2014.1〜2017.7月の間で初回TKA後に拘縮膝を認めた7名7膝の女性患者。その患者は57-71歳で平均63歳。左膝2例と右膝5例。全ての症例で変形性膝関節症からTKAに至っている。TKAから関節剥離術までの期間は8-30ヶ月で平均13.6ヶ月。4症例で関節剥離術前に10-20°の伸展制限があった。ROMは54.3±12.1°だった。

臨床スコア,機能的スコア,全体的なスコアを示すKSSは関節剥離術前でそれぞれ76.3±7.6,67.9±11.1と144.1±16.1となっていた。

関節剥離術では関節周囲の瘢痕組織は除去しROMを回復させ,ギャップバランスと膝蓋骨の軌道は維持された。

手術後はしっかりとリハビリテーションを行った。

結果:初期の合併症なしで全ての傷は治癒した。

全ての症例で12-32ヶ月平均20.1ヶ月のフォローを行った。

術後レントゲンにて全ての人工関節の異常はみられなかった。

関節剥離術前と比べ膝の動きは有意に改善が認められた。

可動域は1名で90°以下,1名で伸展制限が10°残存していた。

最終フォローアップで92.9±4.9°であった。

臨床スコア,機能的スコア,全体的なスコアを示すKSSはそれぞれ81.9±5.1,74.3±9.8,156.1±13.7となった。これらの指標は関節剥離術前より有意に優れていた。

結論:関節剥離術は術後,集中的なリハビリテーションとの併用で初回TKA後の拘縮膝の膝機能に有意な改善を与えることができた。