hirokki13のノート

英語論文抄読のまとめ

関節線維症を起こしたTKA症例の術中屈曲の膝蓋骨厚と膝蓋骨の動きの影響

The Effect of Patellar Thickness on Intraoperative Knee Flexion and Patellar Tracking in Patients With Arthrofibrosis Undergoing Total Knee Arthroplasty

 

The Journal of Arthroplasty

Volume 31, Issue 5, May 2016, Pages 1011-1015

 

背景

 TKA手術前に関節線維症を起こしている症例と術前屈曲角度が正常な症例に対して他動的な屈曲時の膝蓋骨厚と膝蓋骨の動きに対し私たちは術中の影響を評価した。

方法

一般的な後十字靭帯温存のTKA 34例を行い、23例は正常可動域、11例は線維症症例で麻酔下で他動的膝屈曲角度が100°以下の症例とした。臨床的なバランスと膝蓋骨の動き一致させ、通常のものより2mm(2-8mm)より厚く設置し、治験を行った。他動的な膝屈曲角度はデジタル写真を用いてゴニオメーターで記録した。膝蓋骨の動きは視覚的に評価を行った。

結果

膝蓋骨の厚さを2mm厚くするごとに平均で屈曲角度が2°減少した。(P<0.0001)手術前の屈曲角度が正常な症例も同様の結果を示した。加えて膝蓋骨を厚くすることで正常な関節症例も線維症症例も同様に膝蓋骨は傾きや亜脱臼が認められなかった。

結論

膝蓋骨の厚さは線維症のあるTKA症例の中で膝蓋骨の動きに影響を示さず術中の他動屈曲に中程度の影響も示した。正常関節症例と線維症症例の間で膝蓋骨の動きや術中屈曲の著名な違いはなかった。

《感じたこと》

膝蓋骨を厚くすることでの膝屈曲角度は減少が認められたということは、膝蓋骨の周囲の組織がtightになることで制限が生まれると解釈してもいいのかな。その解釈で行うと膝蓋骨を厚くしなくても膝蓋骨周囲の組織が肥厚や柔軟性が低下することで周囲組織はtightとなり制限が起きるのではないかと思った。