hirokki13のノート

英語論文抄読のまとめ

TKAの手術時間に影響する因子は何か?

What Factors Influence Operative Time in Total Knee Arthroplasty? A 10-Year Analysis in a National Sample

 

The Journal of Arthroplasty

Volume 35, Issue 3, March 2020, Pages 621-627

要約

背景

CMS(メディケア&メディケイドサービスセンター:公的医療補助制度)によるTKAの償還の変化はこれらの手術を行うのに必要な時間の減少を認知することとされています。一方でアメリカで記録されたTKA手術時間とこれらの値を左右する因子について、CMSはほとんど情報がありません。従って、私たちのこの研究の目的は①手術時間が延長したこと②手術時間変動の決定する因子について評価を行いました。

方法

2008.1〜2017.12.31までの間にTKAを行った方は米国外科学会のデータベースによって照会されました。全てのTKA症例は 私たちの研究の時期に実施されたデータは全て含まれました。多変量直線回帰モデルは研究期間内で手術が延長した原因因子を評価するために作られました。

結果

最終的に140890例のTKA症例が分析されました。この研究期間内での手術にかかった時間の平均は92.6分でした。四半期の評価は平均の5分以内で留まりました。(89.8〜97.51分)

年齢、性別、機能状態、麻酔の種類、BMI、手術年、輸血量、術前検査所見は手術時間延長で優位に変化がありました(P < .05 for all)。

結論

私たちの分析は、手術時間に影響する多くの要因がありますが、手術時間は安定していることを示しています。医療提供者は周術期の結果に影響を与える要因を緩和しながら手術時間と作業努力を維持しているため、この情報は医師の償還に関して十分に検討する必要があります。

 

《感じたこと》

手術時間の影響因子は多岐にわたっているが、実際の手術時間が大きく違いをみせているわけではなさそう。どうやって膨大なデータを解析したのかな、、、

 

手術後の血清サイトカインレベルはTKAの早期の拘縮を伴う:前向きコホート研究

Post-operative Serum Cytokine Levels are Associated with Early Stiffness after Total Knee Arthroplasty: A Prospective Cohort Study

 

The Journal of Arthroplasty

Available online 28 February 2020

要約

背景

炎症性サイトカインは線維症と関連づけられている一方で、TKA後の関節線維症の現象の目的は研究されていません。この研究の目的は手術前後の滑液か血漿のサイトカインレベルがTKA術後の早期のROM制限が伴うか評価することでした。

方法

TKAを経験した二次性の変形性膝関節症末期の179例の症例が前向き研究に登録されました。滑液と血漿は術前に採取し、血漿は術後1,2日後に縦断的に採取しました。ゴニオメーターにて6週間(±2週間)で95°以下のものを拘縮と定義付けました。

結果

162名中、32名(19.8%)の症例は手術後6週目で拘縮と分析されました。手術後の9つの血漿サイトカインレベル(Eotaxin3, IL5, Il12_23p40, IP10, VEGF, IL7, IL12p70, IL16, IL17a)は術後1日、2日の拘縮、非拘縮例の間で有意に異なりました。手術前の血漿と滑液のサイトカインレベルの間と術後拘縮の発生は有意差が認められませんでした。

結論

この研究結果はTKA6週後の拘縮の発生を起こした症例は術後急性期のサイトカインの応答が明らかとなったことを示唆しました。この特性は術後1,2日目の9つのサイトカインの上昇が有意差を出していることによって特徴づけられました。これらの結果はサイトカインを明らかにしました。TKA術後の早期可動域制限のリスクと病態生理学の予後を確定する可能性を推定するためのバイオマーカーになる可能性があります。

 

《感じたこと》

TKA術後の早期の拘縮発生は術前の膝の状態には関係が認められず、術後1、2日目には傾向がみられたということで、術後1、2日目には決定される可能性があることが示唆された論文でした。これの意味することは術後1-2日の管理が大事なのか1-2日目には決定してしまうかということです。前者であれば理学療法のポジショニングや動作指導などのアプローチをもう少し重点的にみないといけない可能性があることです。

この論文は比較的翻訳しやすく初期と比べて徐々に翻訳スピードが上がってきた気がしますが、論文によっては翻訳にものすごい時間がかかるものと違いがあることがわかりました。

 

 

滑膜増殖は関節リウマチとOA患者の関節腔の低酸素に影響する

Synovial proliferation differentially affects hypoxia in the joint cavities of rheumatoid arthritis and osteoarthritis patients

Yeon-Ah Lee,

Clinical Rheumatology volume 26, pages2023–2029(2007)

 

要約

この研究は、滑膜増殖は関節リウマチとOA患者の関節腔の低酸素に影響を与えるか検討を行った。滑膜炎の評価を行った30名の関節リウマチ 患者と42名のOA患者は 筋骨格系の超音波によって滑膜増殖をしている群としていない群との2グループに分けられた。膝関節の滑液からIL-8、pO2、白血球数が分析され、血液検査から赤沈(ESR)が分析された。

OA患者の滑膜肥厚の有無による2つのグループで低酸素もしくはIL-8に有意差が認められなかったが、リウマチ患者でOA患者の滑膜肥厚群と比べ滑液の低酸素が有意に低下しており、OA患者よりも関節リウマチ症例の方が、IL-8が有意に上昇していた。組織と滑液に浸潤した免疫細胞はOAの滑膜肥厚と比べRAの滑膜肥厚群の方が高かった。赤沈は滑膜肥厚を伴うOA患者の中に関連は認められなかったが、RA患者の滑液内pO2レベルに負の相関がみられた。超音波で検出したOA患者の滑膜肥厚は滑膜肥厚のないOA患者と比べ滑液内の低酸素がより起こっている現象はなかった。滑膜肥厚を伴うRA患者の滑液は低酸素であり、RA患者とOA患者の関節腔の低酸素において滑膜肥厚の違いを発生させるのかもしれない。

 

 

《感じたこと》

OA患者も同様に組織肥厚に伴い関節腔内の低酸素が起きていると予測していた。少し自分の考えと違ったのは滑膜組織内の低酸素は起きていると自分は予測しているが、本論文の低酸素は滑液内からの組織からの抽出であり、さらに違う論文も見ていく必要があると感じた。

 

膝関節の反応性滑膜炎:関節鏡検査での相関を伴うMR画像所見

Reactive synovitis of the knee joint: MR imaging appearance with arthroscopic correlation

Miriam A.

Skeletal Radiology volume 29, pages577–582(2000)

 

要約

目的

膝関節鏡検査の二次性の反応性滑膜炎を特徴づける標準的な特徴とMR画像所見の検出で配列のルーティーンの評価を行うこと 

デザインと患者

50名の膝の痛みの既往のある治療継続患者で、彼らはMR画像を参照され、引き続いて膝の関節鏡検査を行った。MR画像は滑膜の肥厚や不規則性の中で判断された滑膜炎の出現や存在の評価を行った。滑膜肥厚はMR画像から以下のように分類された:0=normal 1=シグナルの強度が増加した薄いライン 2=葉状体もしくは毛髪様に投影されたシグナル強度の増加と滑液の粒状の出現。標準的な膝画像プロトコールを使用されました。

結果

滑膜炎を抽出するMR画像の感度や特異度、正確性は関節鏡検査と比較して、それぞれに88%,97%,95%となりました。グレード1の滑膜炎はプロトン密度強調像で最も確認され、滑液の相対的な低シグナル強度に拮抗して滑膜のシグナル強度の増加が証明された。グレード2の滑膜炎はプロトロン密度強調像とT2強調画像とFSE法脂肪画像で最もよくみられ、滑液で粒状と毛髪様の線状の出現が明らかにされました。軸方向と矢状面は滑膜炎の診断に最も有益であった。

結論

滑膜異常の程度や存在を明らかにすることに通常のMRの配列は役立ちます。滑膜の病態によって異なるステージで検出することは外傷後の患者の治療の結果を変化させるかもしれないため、重要になるでしょう。

   

《感じたこと》

andや(,)の区切り方が訳すのに難しくいつも悩むところ。英単語が覚えられない。

論文の要約に関しては滑膜炎の状態を分類として定義しており、滑膜炎のMR画像は関節鏡検査と遜色ない評価方法であることが示されていた。実際、MR画像を行う症例が少なく、やはりエコーでも有用性を出していくことが必要ではないかと感じた。

 

理学療法における超音波検査画像診断:PTが実施する目的は何か?基本的な教育モデルと推奨トレーニングについて

Imaging with ultrasound in physical therapy: What is the PT’s scope of practice? A competency-based educational model and training recommendations

 

Whittaker JL, Ellis R, Hodges PW,

et al. Br J Sports Med 2019;53:1447–1453.

《要約》

理学療法士は臨床の広範な範囲と研究目的のため超音波検査による画像診断を利用します。にも関わらず超音波画像診断法の使用を指導する理学療法規制機関は少なく、専門的な診療を行う中では超音波画像診断が熟練して使用できる理学療法士になるための卒後教育の機会は限られています。

ここでは①理学療法士が超音波画像診断を使用する流れの概要。②理学療法で使用する超音波画像診断の適応を4つの幅広い分類で記載し、明確にします。③理学療法士の臨床現場で高い価値が出せるかを視野に入れた、超音波画像診断の関連について考察します。④理学療法士の練習方法のための基礎教育のモデルを幅広い枠組みで提案します。この論文は治療としての超音波ではなく超音波画像診断だけを考察します。したがって、共通言語として“イメージ”(画像診断)は“超音波”として使用します。

《背景》

たくさんの理学療法士は超音波画像診断を正確で個別的なリハビリテーションを提供する手段にしています。初めて理学療法士が超音波の使用を発表1)〜5)(1980年)して以来、理学療法士による使用の進化には3つの重要な段階がありました:一連の報告6)〜8)と初めてのリハビリテーション超音波画像診断の国際学会(RUSI:2006年アメリカのテキサス、サンアントニオのArmy-Baylor大学の理学療法博士課程において)9)徒手理学療法学会の国際的なネットワークセッション(ケベックティー、カナダ2012年)10)、スペインの超音波理学療法学会(マドリード、スペイン2016)11)のArmy-Baylor University(大学)主催による国際的なシンポジウムの後に独自の調査を公表しました。これらの努力にも関わらず、超音波が使用されている方法の多様性があるために多くの考慮すべき問題と理学療法士が超音波を使用する上での随伴した用語法の矛盾が残ったままとなっています。以前に特定していた臨床使用目的(臨床で使用する環境とエビデンスベースの関係の範囲内で理学療法を記述している声明。実践範囲は動的でエビデンスベース、方針と患者の需要の変化に従って変化しています)12)と専門トレーニングに関連する差が拡大していることは明らかです。

2006年のシンポジウムの時点で 理学療法士が使用する超音波のレポートの多数は神経コントロールリハビリテーションの助けとなるフィードバックもしくは筋の構造(形態学)と機能に関わっていた。RUSIという用語はこれらの適用を包含するために作られ、定義とともにRUSIの臨床使用が医療における超音波のより大きな分野にどのように付随するのか視覚的表現が開発されました(図1)。2006年以来、RUSI以外の理学療法士が超音波を使用する3つの付加的な明瞭なカテゴリーが特定されています。これらの適応は以下に記載しています。:診断と病理的なモニタリング(診断のUS)、経皮的な針の手順の先導に関与する“乾いた(鍼)”もしくは“濡れた(注射)”(介入のUS)、研究事業(研究のUS)。(図2)

3つの臨床分類は特に認定された医療関係者が『point of care超音波』を実施することで臨床業務での理学診療の補助、不明確な知見を明らかにすること、急性期の治療方針の決定の際に画像イメージを提供し治療の成功や安全性が向上することで治療や診断時間の節約の時に重要な意味を持ちます。13)

Point of careとは対照的な超音波評価は画像専門施設、研究部門、医療関係者と専門家の間で治療の相談を行う際に実施されます。

不確かな臨床上の知見を明らかにする質を高めることや理学療法介入の有効性を理学療法の状況の中でpoint of careな超音波は明らかにすることができます。

理学療法臨床現場での即時的な超音波検査は実施するセラピスト(管理規制の範囲に従って)の理学療法の診療と能力の範囲に入る(知識と技術と能力)と仮定すればそれは直接的な理学療法治療介入を行うことができるが内科的治療もしくは医学診断は提供できません。

以下では理学療法で使用する超音波の4つの広範な分類の適応を定義して説明し、理学療法士による超音波の使用が臨床と練習の範囲に与える影響について議論し、理学療法で使用する超音波の適格な練習教育モデルの枠組みを提唱します。

図1

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図2

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理学療法士によって使用する超音波》

このセクションの目的は理学療法の超音波適応の4つの分類をそれぞれ定義することと記述と例を提供することです。概要は(図2)です。

リハビリテーション分野で使用する超音波》

文献で報告されている理学療法士によって使用する最も一般的なものは、RUSIの範囲内であり、様々な環境(スポーツ医学、整形外科、職業、呼吸器、骨盤の健康など)での筋骨格系の研究に関与しています。リハビリテーション超音波は筋の評価や軟部組織の形態の関係をみたり、訓練や理学的課題の中での機能をみたり、神経系機能訓練の治療的介入の補助を行ったりと理学療法士によって使用する手順を本来明確にされていた。9)これは筋形態学の測定も含みます(例:長さ、厚さ、直径、断面面積、量、膜の長さ、羽状角)14):筋形態学の時間経過による変化や違い(例:加齢)15)、人々のグループ間16)もしくは現象(例:収縮17)、損傷18)、手術19)、宇宙環境曝露20)

もしくは筋収縮による隣接構造の影響を評価する(ファシアの動きや変形21)、神経22)、白線23)、膀胱などの内臓器官8)尿道24)、筋組成評価25):フィードバックの提供26)。筋骨格系やスポーツ理学療法の分野の中で、RUSIは体幹筋のサイズや収縮による損傷リスクの選別を評価したり27)28)、損フィードバックや傷予防プログラムの結果の筋サイズ測定変化を提供したり29)、コンディショニングの反応や30)、治療介入31)を評価するのに使用していました。骨盤帯分野でのRUSIは予測32)33)、尿失禁の管理34)と理解されています8)

《診断の超音波》

診断の超音波は損傷の影響、関節表面の疾病や破壊、筋、腱、靭帯、滑液包、血管、神経、内臓器官の固形物を調べるのに関与しています35)。伝統的にこれらの適応は相談を行う読影専門家の範囲に含まれていました(すなわち、放射線科医もしくは超音波検査者)。超音波は最も費用対効果が高く、安全で迅速に静的でリアルタイムな情報を得ることができる方法で、多くの医療専門職が point of careのテクノロジーを採用しています。理学療法の分野では診断の超音波は腱異常の明確化、腱障害リスクの選別36)、上腕骨の捻れやローテーターカフの病態のある症例の肩峰上腕骨距離14)、血友病症例の関節血症37)38)、神経絞扼症例の神経可動性39)、靭帯損傷後の整合性40)リハビリテーションに通知することに利用されています。にも関わらず、多くの理学療法士はpoint of careの診断的超音波の適切な訓練をしており、このアプリケーションは他の医療関係者をオーバーラップして将来性を与える議論の余地が最もあります。最近のニュージーランドの報告では診断の超音波手法の範囲に関してたくさんの理学療法士が混乱しているといった報告を強調しています41)

《介入の超音波》

介入の超音波はグレースケールやBモードを正確に使用し、効率的に安全に“dry”と“wet”の針治療を含む侵襲的な介入でdry穿刺や経皮的な電気治療、注射もしくは吸引の針を誘導することに関与します。穿刺の超音波ガイドや注入はランドマークによる誘導の注入より正確で効果的です42)。にも関わらず理学療法の臨床の使用は世界的にもばらつきがあり、セラピストが許容されているところではdryとwetの針を使用することや針治療のdryの針を安全に誘導するために使用する介入の超音波43)、リリースのターゲットポイント44)、経皮的な電気治療 (すなわち機械刺激や針による電気の流れを利用して微小な外傷を制御して組織修復を行うこと)45)46) があります。

《研究の超音波》

超音波は理学療法の効果を知らせる目的で基礎研究、応用研究、臨床研究で使用されています。例えば、超音波はモーターコントロールの障害と痛みの影響を理解するため47)、筋形態学18)、モーターコントロールと機能の間の関連48)、特異的な治療アプローチを患者が決定すること31)、フィードバックを増強することで運動学習や治療効率を強化すること49)に使用されます。最も洗練された超音波アプリケーションはdryの針治療テクニックの根底にあるメカニズムを明らかにすること50)、神経の可動性を測定すること51)、軟部組織の生態力学の要因を評価すること(例えば柔軟性)52)53)、治療変化がどうなっているか54)、骨盤底筋群の収縮動態24)理学療法治療の有効性55)の調査のために使用されています。イメージガイド介入と同様に超音波は筋電図検査で使用する筋肉内電極の挿入のガイドとして深部筋48)、小さい筋56)、ハイリスクな筋(横隔膜など)57)に数年使用しています。これらの適応を超えて多様な筋58)-61)や神経系の調査22)理学療法の臨床で使用しているアプリケーションなど62)の超音波の妥当性と信頼性を評価する多くの文献があります。

《超音波の表示モードとテクノロジー

理学療法超音波アプリケーションの4つの分類それぞれで、研究や臨床の目的に応じて超音波のイメージング技術の基本を使用することに注意することが重要です。例えばグレースケール、Bモード、Mモードは筋の形態的特徴を測定すること63)、外側の外側顆痛に随伴する骨突出の変化を明らかにすること64)、針治療の針誘導45)に利用されます。対照的に超音波ドプラは動的な腱の新生血管の評価を可能にします65)。エラストグラフィは軟部組織(筋、腱、靭帯)のバイオメカニクス的な性質と理学療法介入の有効性と組織修復の過程の評価の定量化(柔軟性)を可能にします66)

《臨床での範囲や規制、練習について》

イギリス67)やオーストラリア68)ニュージーランド41)で実施された調査では監視規制の欠乏に加え、国際的に示された理学療法士の超音波トレーニングのカリキュラムや生涯教育、指導者に指導を受ける機会のばらつき、患者ケアに使用するための細部に至る適格性がないことが示された。

これらのギャップの説明は診断や介入の超音波と違い、RUSIは新しいアプリケーションでほぼ完全に理学療法の専門職の範囲の中にあるアプリケーションです(スポーツ科学者、スポーツセラピスト、整骨院もまたRUSIを実施します)。超音波は10年を超えて理学療法士に使用され、急速な成長に直面しており、専門職はその伝統的な範囲が進化するための状況に直面しています。明白で規制され一貫した指導と専門的な協会は混乱とこれらのギャップを緩衝することを補助することができます。それぞれの理学療法の超音波分類は他職種の範囲を侵害しない特有の知識、スキル、能力に随伴されます。にも関わらずこれらはいくつかコンセプトや問題点、障害部分の重なりからなる基本部分は的確な使用方法と専門トレーニングと違った適応方法の報告によって随伴されています。診断と介入の超音波の分野のこれらはWHOと世界超音波医学学術連合によるガイドライン69)によってトレーニング、的確な使用方法、規則の判断基準は確立されています。理学療法士は診断と治療の超音波のような現存する利用方法が一貫している使用方法が望まれます。とはいうものの、それは認められています。いくつかの国で、理学療法士にこれらの使用方法を制限される場合があり、現存する教育モデルは理学療法特有のものではない場合があります。理学療法の適応ではないが臨床の内容が近くなることで繋がる理学療法以外の部門である他の医療従事者(放射線科医、スポーツ運動医、超音波検査士)のために臨床の場で使用できる超音波トレーニングコースを確立することを考慮することも重要なことです。それには臨床での超音波使用に関しては根拠に基づく診断と介入が必要で理学療法士の特定の要求と資格、臨床使用の範囲に随伴される問題に強調することが求められています。トレーニングを超えて診断と介入の超音波をいくつかの理学療法の分野(適したトレーニングを得られると想定すること)の中に取り入れることは重要ですが、大部分の事実はこうではありません。介入や診断の超音波を行う前に規制機関と連携することで臨床での超音波の活用範囲をトレーニングや専門知識に関わらず理学療法士は明らかにするべきです。たくさんの実例の中、規則が変化する中で理学療法士が臨床で行う範囲を広げることはこの方法でセラピストが超音波を使用できる以前に必要とされるだろう。対照的に診断と介入の超音波のエビデンスとは対照的に、理学療法の中でのRUSIの役割を示すエビデンスが増えているにも関わらず、RUSIの分野には専門家、標準カリキュラムと臨床使用のための規則が欠けています。その欠けている部分により質の高いエビデンスベースに基づいた臨床機会の不足という結果となりました。;RUSIの適応の報告や能力の標準化の欠如;不十分な訓練の捜査者がいる可能性。41)67)68)

理学療法士のための超音波訓練の枠組み》

point of careか研究の目的のための的確な使用は臨床使用技術の参入部分でなく、一般的な理学療法士の教育プログラムに欠乏しており、安全で有能な臨床使用をサポートする卒後教育へアクセスすることが必要です。以下の部門は重要な適格性、トレーニングのための学習目的や配信の選択肢が含まれています。ここの内容はここ30年の間、多数の医学者や超音波の専門機関(British Medical Ultrasound Society)や専門家による共同研究や話し合いのまとめや文献調査や筆者による理学療法士の超音波トレーニングの配信や進行中の広範囲な経験基づいています。この項目の目的は個人及び組織の理学療法士のための介入や診断の超音波コース、RUSIの評価や発展の基礎を提供することです。

理学療法士によって使用される超音波の中心的な適格性》

NPAG(Canadian National Physiotherapy Advisory group)は専門職としての理学療法士の技術と必要とされる測定可能な知識レパートリーの適格性や姿勢を明らかにします70)。臨床で超音波を使用する理学療法士の場合、これらは超音波検査の安全で有用な行為と解釈に関連する知識、スキル、態度が含まれています。理学療法士による超音波の全ての用途に及ぶ基本的能力のRUSI、診断、介入、研究に特有したボックス1で概説されます。

 

【ボックス1:理学療法士によって使用される安全で効果的な基本的な適格性の要約(知識や技術、姿勢)】

基本的な技術、知識、姿勢

・専門的で倫理的考慮

・コミュニケーション

・基礎的な解剖、生理学

・超音波の物理学

・超音波の安全性と衛生

・基本的な超音波の計測手段や用語

・基本的な超音波画像の描出と至適化

・基本的なアーチファクトを含めた解釈

RUSIの知識、技術、姿勢の適格性

・RUSIの歴史と理学療法の範囲

・詳細な解剖学と生理学

・基本的な神経筋機能の機能と機能障害

・RUSIの用語と計測手段

・RUSI画像描出と至適化

・RUSI解釈

・特異的な部位の特別な方法と応用

・RUSIの臨床条件の対応と予防知見の統合

・診療でのRUSIの使用の評価

診断の超音波の知識、技術、姿勢

・診断の超音波の歴史と理学療法範囲

・詳細な解剖学と生理学

・病理学と痛みの心理モデルの基本的理論

・診断の超音波の用語法と計測手段

・診断の超音波の画像描出と至適化

・診断の超音波の解釈

・臨床条件の対応と予防のための診断の超音波の統合

・診療での診断の超音波の使用の評価

介入の超音波の知識、技術、姿勢

・介入の超音波の歴史と理学療法範囲

・詳細な解剖学と生理学

・介入の超音波の安全性

・介入の超音波の針誘導の原理、方法、正確さ

・介入の超音波の用語法と計測手段

・介入の超音波の画像描出と至適化

・介入の超音波の解釈

・臨床条件の対応と予防のための介入の超音波の統合

・診療での介入の超音波の使用の評価

研究の超音波の知識、技術、姿勢

・研究の超音波の歴史と理学療法範囲

・詳細な解剖学と生理学

・研究に対する背景的な知識

・研究デザインと方法論

・研究の超音波のアプローチと方法論

・研究の超音波の安全と倫理

・研究の超音波の用語法と計測手段、適応

・研究の超音波の画像描出と至適化

・研究の超音波の解釈

・研究の超音波の転移

 

《形式の配信》

理学療法士は超音波の共通の基本的なものと特異的なものの適格性、トレーニングの基本教育モデルを利用しなければならないことを示唆されています。基本教育モデルは過程よりもある程度の結果によって施行され71)72)、それによって学習アウトカムは第一に特定され、カリキュラムは学生が学習アウトカムの中で記述する適格性を達成することを確実にするために別々の段階で立てられます。症例ごとの超音波で、 “段階”は一症例をみることか、いくつかの特異的(RUSIや診断や介入)なモジュールによる入門的(基礎知識と習熟度)モジュールから作られることがあります。それぞれのモジュールの配信は安全性、技術的側面、画像描出、解釈の実際のそれぞれ最高のものによる教訓的で実践的に説明されることがあります。このアプローチは非公式か公式な指導の補足、管理制度や症例検討、将来の超音波の適応を追加することで柔軟性を可能にします。この分野の専門家である理学療法士による指導に加えて、可能な場合、トレーニングには他の画像解析の学問分野に関与し、理学療法士が治療する障害や病理に焦点をあてる必要があります。さらにそれは異なる配信媒体(品質保証のためのリアルタイム配信や貯蔵されているイメージ画像のスキャン、もしくはレビューの管理制度、バーチャルな指導者、実践的コース、オンラインの活用、試験、事前読解)を介すことやいくつかの設定(導入から応用まで)の中でトレーニングが提供される可能性があることを考慮することが大切です。また、臨床プログラムの中のコースにトレーニングを入れ込む価値があるかもしれません。(物理療法、解剖、整形外科、神経内科、専門課題としてコースか毎年か、運動か)

《カリキュラム》

超音波検査の指導や解説(背景知識を含む)の能力は操作者のレベル(入門的vs応用的)や適応(RUSI、診断、介入、研究)によって変動します。入門編や適応編モジュールやコースの学習結果はオンラインの補足、表2に概要が述べられています。

《将来の方向性や推奨》

将来の試みは 理学療法士が自己管理で使用する超音波の国際的な基準と臨床での使用と練習基準が整備され、維持されることに焦点を当てるべきです。これらを行わない限りは理学療法士が超音波を使用する多様な使用方法に制限がかかってきます。理学療法士による超音波の使用へのより多くの専門家の介入は、専門性の侵害の不正確な仮説を回避し、理学療法の実践の中で起こる特有な使用方法の理解を育成することに必要です。最後に超音波の質の強化、有効性(コストを含む)、理学療法への有効性のエビデンスを提供することを理学療法士が続けることは避けられないです 

 

 

《感想》

今回、興味を持っている理学療法士の超音波分野が世界でどのような立ち位置にあるのか知るべく、1ヶ月かけて訳を行った。

英訳に関しては少しずつ文献のアブストラクトは慣れてきた印象であったが、今回の資料は訳すのがとても難しく、何回も心が折れそうになった。英訳の数をこなすことで文法の弱点が少し分かったので、これからはこの弱点を克服しながら英訳を進めていきたい。 

資料に関してはまだ理学療法士が使用する超音波は発展段階であり、引き続き経過を追っていく必要があるように思える。整形外科の先生が進めている診断や介入の超音波の真似事にならないように理学療法士にしかできない超音波の使用方法を考えていくことが必要だと感じた。

変形性膝関節症における超音波検査の役割

Role of Ultrasonography in Knee Osteoarthritis

 

Journal of Clinical Rheumatology: September 2016 - Volume 22 - Issue 6 - p 324–329

 

超音波検査はリウマチ学者の間でOAの観察と評価のための画像評価の第一選択として一般的になってきた。なぜなら、近年科学技術が改良され超音波はOAの病態生理や進行に関し関節軟骨や滑膜組織、骨皮質、他の軟部組織も含んだ小さな構造上の異常所見を評価し、示すことができるようになってきたためである。最近では超音波検査は関節浸出液や滑膜肥厚、ベーカー嚢胞、他の構造学的変化、骨棘形成や半月板膨隆、軟骨の厚さの減少といった軟部組織の異常評価を行う有望な技術となっています。超音波検査はOA膝の診断を行う可能性だけではなく疾病疾患の進行によるバイオマーカーの画像診断による長期間の予測を明らかにすることができます。超音波検査は治療有効性の監視や有用なツールの治療的介入の先導もできることが証明されました。このレビューはOA膝の画像評価技術としての超音波検査の有用性や信頼性、利用可能性について示します。

 

《感じたこと》

雑誌の特集?のアブストラクトであったが、近年ではOAに対する超音波画像診断を用いての評価は世界的に一般的になってきている印象がある。治療的介入の先導はハイドロリリースなどのことと思われるが、この数年でクリニックなどでのOAや肩関節周囲炎といった疾患の評価や治療は大きく変化しそうな気がする。今までは『肩関節周囲炎』の診断のもと湿布と物理療法であったが、超音波エコーによって、より詳細な診断(肩峰下滑液包炎など)や治療を行うことができるため理学療法士もついていけるようにならないといけない。考える役割として3つ考えられ、①診察の補助となりうる可能性があり、詳細なエコーを当てる部位を評価すること。整形外科的テストや触診、問診、圧痛所見など ②病態の原因となるアライメントに対するアプローチ(アライメントだけではなく局所血流の問題であれば有酸素運動や食習慣の聴取など)が必要と思われる③徒手的なリリースやハイドロリリースの効果持続のためのストレッチなどが予測される。

無症状の滑膜炎と腱付着部炎の超音波検査による検出:臨床的な筋骨格を除いた乾癬患者の層別化の可能性

Ultrasonographic detection of subclinical enthesitis and synovitis: a possible stratification of psoriatic patients without clinical musculoskeletal involvement

 

Clinical and Experimental Rheumatology 2019; 37: 593-599.

 

目的

乾癬患者の関節内・関節外の炎症性病変や構造上の損傷を超音波検査にて有病率を評価するとともに臨床的特徴と超音波検査による病変要素の間に相関があるのかを評価する。

方法

筋骨格系の症状のある方を除いた乾癬患者と健康対照群を抽出しました。すべての患者から盲検下で42関節、12腱付着部、32腱の超音波検査を行い入手しました。活動性の滑膜炎はパワードプラーで1以上とグレースケールで2以上として明確にしましたが、活動性の腱付着部炎はグレースケールにて腱付着部の低エコーと腱付着部のパワードプラーの兆候(骨挿入から2mm以下)で確認しました。

結果

40例の乾癬患者と20例の健常対照群が含まれました。総合計は2516関節と712腱付着部が評価されました。活動性の滑膜炎は乾癬患者の11/40名(27.5%)に見つかり、健常者は0/20名(P=0.01)となりました。グレースケール2以上の滑膜炎患者は健常者より乾癬患者で頻度が高くみつかりました。[34/40 (85.0%) and 11/20 (55.0%) respectively; p=0.024]

活動性の腱付着部炎は乾癬患者のみ見つかりました。有病率は20.0% (8/40) (p=0.04)。乾癬患者と健常者の間で腱鞘炎もしくはパラテノン炎の有病率の有意差はみられませんでした。乾癬患者の群では動性の滑膜炎に関して年齢との相関がみられた(P=0.03)と同時に腱付着部炎では男性とPASIスコア(皮膚の状態をもとに点数化する評価)では独立して相関がみられました(p=0.05 and p=0.034, respectively)。

結論

活動性の腱付着部炎と滑膜炎は無症状性の乾癬性関節炎を評価するのに役立ちます。これは乾癬患者をより適切に層別化するための関連する臨床的ステップを表す可能性があります。

 

※乾癬性関節炎:乾癬患者の6-42%に発症する炎症性の関節炎

 

《感じたこと》

以前担当した症例が手術後著明な拘縮を起こし、内視鏡やオープンでの癒着剥離術を行った。その際、滑膜肥厚が著明に認められたが、手術の影響だけでなく原疾患(乾癬患者症例)も影響している可能性があったんではないかと感じた。日本ではあまり乾癬患者と関節炎は言われていない気がするが注意する必要があると感じた。