hirokki13のノート

英語論文抄読のまとめ

手術後の血清サイトカインレベルはTKAの早期の拘縮を伴う:前向きコホート研究

Post-operative Serum Cytokine Levels are Associated with Early Stiffness after Total Knee Arthroplasty: A Prospective Cohort Study

 

The Journal of Arthroplasty

Available online 28 February 2020

要約

背景

炎症性サイトカインは線維症と関連づけられている一方で、TKA後の関節線維症の現象の目的は研究されていません。この研究の目的は手術前後の滑液か血漿のサイトカインレベルがTKA術後の早期のROM制限が伴うか評価することでした。

方法

TKAを経験した二次性の変形性膝関節症末期の179例の症例が前向き研究に登録されました。滑液と血漿は術前に採取し、血漿は術後1,2日後に縦断的に採取しました。ゴニオメーターにて6週間(±2週間)で95°以下のものを拘縮と定義付けました。

結果

162名中、32名(19.8%)の症例は手術後6週目で拘縮と分析されました。手術後の9つの血漿サイトカインレベル(Eotaxin3, IL5, Il12_23p40, IP10, VEGF, IL7, IL12p70, IL16, IL17a)は術後1日、2日の拘縮、非拘縮例の間で有意に異なりました。手術前の血漿と滑液のサイトカインレベルの間と術後拘縮の発生は有意差が認められませんでした。

結論

この研究結果はTKA6週後の拘縮の発生を起こした症例は術後急性期のサイトカインの応答が明らかとなったことを示唆しました。この特性は術後1,2日目の9つのサイトカインの上昇が有意差を出していることによって特徴づけられました。これらの結果はサイトカインを明らかにしました。TKA術後の早期可動域制限のリスクと病態生理学の予後を確定する可能性を推定するためのバイオマーカーになる可能性があります。

 

《感じたこと》

TKA術後の早期の拘縮発生は術前の膝の状態には関係が認められず、術後1、2日目には傾向がみられたということで、術後1、2日目には決定される可能性があることが示唆された論文でした。これの意味することは術後1-2日の管理が大事なのか1-2日目には決定してしまうかということです。前者であれば理学療法のポジショニングや動作指導などのアプローチをもう少し重点的にみないといけない可能性があることです。

この論文は比較的翻訳しやすく初期と比べて徐々に翻訳スピードが上がってきた気がしますが、論文によっては翻訳にものすごい時間がかかるものと違いがあることがわかりました。